海の世界の住人

バンクーバーの海で

バンクーバーには海の上を渡って移動するアクアバスというものがあります。10人ぐらいが乗れる小さな可愛い船で、決まったルートを行ったり来たりしています。外が見られるようにガラス張りになっていて、移動手段としてはちょと楽しいものです。(下の写真に小さく写っている黄色や赤の屋根の船です)そのアクアバスに乗ってグランビルアイランドまで移動していた時です。

不意に視線を感じると

気持ち良い天気の日にこのアクアバスを満喫していたのですが、不意に海の方から視線を感じました。そちらに視線を向けると明らかに真っ黒な顔に大きな目が二つある生き物が、海から真っ直ぐ肩から上を覗かせてこちらを見ています。一瞬何か分からず、宇宙人がいるように感じました。胸がものすごくどきりとしました。ちょっとお化けを見てびっくりするような感じ(お化けを見たことはないのですが)でした。今思い出してもドキドキするぐらいびっくりしました。目力がすごいのと、何かすごく強い意志が感じられる存在だったのです。まさに海の世界の住人に出会ってしまったという感じです。よくよく見るとそれはアザラシのようでした。急いで写真をとったのですが間に合わず、取れた写真はこれです。

海の中に消えてしまった後でした。とにかく私は衝撃を受けていました。アザラシはもちろん水族館などで見たことはあるのですが、自然の中で見るというのは初めてでした。自然の水面で見たことがあるのは魚やカエルや亀ぐらいです。急に海の中からかなり大きい生き物が頭と体を出し、はっきりと目線を合わせてくることが衝撃でした。そして海の中には別の世界があるんだと思い知らされました。あの広い海の中を私たちが街を歩くように、自在に動いている生き物の世界があることがはっきり実感できたのです。

何年経っても忘れられないびっくりを形にしておこう

あの日の衝撃をどうしても残しておきたくて、でも写真もないので、アップリケで表現しました。あの景色を見てから3年も経ってもまだ昨日のように思い出す瞬間です。

海のおばけ

先ほどお化けという表現をしましたが、そうです思い出しました。私が見た映像はまさにこの絵本『海のおばけオーリー』の表紙だったのです。

Screenshot

この絵本のタイトルはお化けとなっていますが、この子はアザラシの子供なのです。ここで私は自分が見たのがオットセイなのかアザラシなのか分からなくなってしまいました。ネットで調べてみるとアザラシには耳たぶがなく、オットセイには耳たぶがあると書いてありました。しかし、私が見たものに耳たぶがあるかなんてわかるわけもありません。(私のアップリケには耳たぶらしきものはありませんが)バンクーバーの海にはアザラシもオットセイもいるようです。私がどちらを見たのかはもう確かめるすべがありません。いずれにしても海の住人であることには間違ありません。それ以来私はカナダの海を見るたびに、また会うことができることを期待して水面を見つめるのです。

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