
函館にちょこっと観光で行った時、1日の終わりにアンティーク好きの私の為に娘が案内してくれたのがこのエレベーターでした。上部のタイルと緑とゴールドのコンビネーションが最高に可愛いこのエレベーターは「函館市地域交流まちづくりセンター」にあります。このセンターがなんと夜9時まで開いていて、希望すればこのエレベーターに乗せてくださるという驚くべき対応をしてくださるのです。観光施設が割と早く閉まってしまい、もうホテルでのんびりするしかないかなという時間に、こんな素敵なエレベーターを最後に見ることができてとっても充実した気分になりました。

エレベーターがある函館市地域交流まちづくりセンター自体がとても貴重な建物となっています。1923年に丸井今井百貨店函館支店としてられたもので、1934年に函館大火で内部を全焼した後、このエレベーターが同年に付けられたようです。その後1970年までは百貨店として営業されていたそうです。エレベーターを動かしてくださったスタッフの方から、建物がもともと百貨店であったと聞いた時、その時代の人々がここでワクワクしながらお買い物をしている情景が浮かび、胸が何だかぐっとなりました。廃墟好きな私は廃墟に入る時、まるでそこにいた人々の感情が落ちているような感覚になるのですが、それと同じような感覚に襲われました。
とにもかくにも、エレベーターを乗せていただき運転してくださいました。

蛇腹式のドアがとても可愛く、ガタンガタンと言いながらも力強く動きます。手動で動かしており、各階に止まる時にはドアに合わせて調節しながら止めなくてはいけないようで、技術が必要なようです。

このタイルの部分がたまらなく可愛いです。この時代の凝ったデザインは本当に魅力的です。5階まで乗せていただきました。このエレベーターは全国にあと3基あるそうです。どうにかしてこれからもずっと保存してほしいと願います。
この近くには日本最古のコンリート電柱がありました。函館は古いものがたくさん残っており、アンティーク好きにはかなり魅力的な場所でした。
