ある病院に行った時、先生のお席にちょっと変わった花瓶がありました。私はその花瓶にすっかり一目惚れしてしまい、自分の体調はさて置いて、「先生、この花瓶どこで手に入れられたんですか?」と口かが動いていました。先生は優しく「確か、長野に行った時に入ったお店で買ったと思うんですけど」と答えてくださいました。それはとっても難しいヒント。長野とは範囲が広すぎます。そこで私は「青い線が書いてある花瓶」とか絶対に見つからなさそうな検索ワードを入れてネット上で探し始めました。案の定見つからず諦めていたところ、どうしたことか長女が探し当て、さらにプレゼントしてくれたのでした。「青い線が書いてある花瓶」とはこれです。


マリアンヌ・ハルバーグ(Marianne Hallberg)というスウェーデンのアーティストの方の「香水瓶の花瓶」という作品でした。そしてそれを愛知県瀬戸市の窯元さんにて瀬戸焼で作ってくださっていて、日本で手に入るということでした。兎にも角にも長女のおかげでうちにお迎えすることができて本当に嬉しいプレゼントでした。
すごく個性的なチューリップが手に入った時に、この花瓶にさしてみました。するとその姿が私に創作意欲を呼び起こしてくれたのです。

何か作ってみたいと思うのは本当に久しぶりでしたが、初めて見たこのチューリップと愛してやまない花瓶との組み合わせを忘れたくなくて私なりの作品にしたくなりました。写真に撮るだけではどうしても感動を閉じ込められないような気がしたのでした。

これを作ってから2年。いくつかの作品を作るようになりました。制作している時間がとても楽しくて自分にとって大切な時間となっています。そんな時間を持つことができるようなきっかけを作ってくれたのがこの花瓶なので、とてもとても特別なのです。病院の先生にも、長女にも、マリアンヌ・ハルバーグさんにも、瀬戸焼にして下さった方々にも、トンカチストアさんにも、大感謝です。
トンカチストアさんのネットショップにはマリアンヌ・ハルバーグさんの様々な作品や、他の作家さんデザインのものもとても素敵なものがたくさんあります。ちょっと個性的なプレゼントが見つかりそうです。私が次に惹かれているのは「かばんのかばん」です。