オリエント急行のティールーム〜箱根旅〜

このクラシカルな空間は1929年に作られたオリエント急行の車両を、ルネ・ラリックが装飾デザインをした当時の内装のままティールームにしているというとっても特別な場所です。このアンティークそのものの空間の中でティータイムを楽しんで来ました。

場所は箱根にある「箱根ラリック美術館」です。美術館の敷地に入ると左側レストランの隣にこのオリエント急行の車両が置かれています。2004年に箱根に来たそうです。

雨風が当たらない美しい空間がつくられていて、そこに存在感たっぷりに車両が置かれています。目に入ってきた瞬間はちょっとびっくりしたぐらいです。天井のガラスから注がれる光で輝いていました。

料金はちょっとお高め。選べる飲み物と、選べないデザート1品(私が頂いたのはレアチーズケーキでした)を中でいただくことができ、滞在時間が40分という感じです。正直なところ値段でちょっと迷ったのですが、本物のアンティーク中でお茶がいただけることも貴重ですし、ラリックデザインの本物の電車を見ることができるのはやっぱり価値があると思い、せっかく箱根まで来たからとチケットを購入しました。

後で車掌風にしている美術館のスタッフの方がこのチケットに時間を書き込んでくれました。お茶の前に説明ビデオを見る時間もありました。

中に入る瞬間はやっぱり感動でした。当たり前ですが今の電車とは全く違います。

カーペットも家具もとても美しかったです。側面のガラスのレリーフや天井のランプシェード、カーペットや椅子の生地など全てが一体となって一つの作品となっていました。テーブルに案内され腰をかけると、座り心地も家の椅子とは全く違います。柔らかいのですが、藁が入っているのでなんとも言えない感触です。

外の景色も爽やかで、このデザートもとっても美味しかったです。昔新幹線の食堂車でも食事できたなあなんて考えたり、100年近く前の方々が使っていたことに思いを馳せたり・・・あっという間の40分でした。

名残おしくもここを出た後、同じ敷地内のラリックの美術館へ。そこまでの道もとても雰囲気が良かったです。

こちらの入館料は1500円でした。今回初めてルネ・ラリックの作品をまとめて見ることができました。ラリックの作品を見ているとそのものの美しさはもちろんなのですが、自然の花や生き物の中に潜んでいるデザイン性の完璧さに嫌でも目を向けさせられるような気持ちになりました。昆虫の羽や、花びら、リズミカルに生えている葉っぱ、全てが完璧なデザインであることを思い知らされました。その完璧なデザインをラリックがさらに昇華しているのが本当に見事でした。なかなか自然に魅力を感じてこなかった私なのですが、今回新たな目が与えられた気がしてこの箱根ラリック美術館での経験に感謝です。

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